8番出口を見ました

シンプルに飽きてきて更新をしていなかったので久しぶりの更新になりました。映画「8番出口」を見たのでその感想を書きます。

映画の概要・総評

まずあまりネタバレなしで概要と総評を書きます。

恐らく2年くらい前に流行ったインディーゲームを原作にした映画です。元のゲームは東京メトロのような地下鉄の駅の通路で間違い探しを行うという感じで、間違い探しを連続して正解していき8番出口にたどり着くことが目的という非常にシンプルなゲームです。このゲームでは間違いのことを「異変」と呼びますが、想像の斜め上をいくような異変が日常的に見慣れた地下鉄の駅で出現するという日常と非日常が巧妙に交わる独創性が評価され、やたらバズっていたので知っている人も多いと思います。

さて、映画自体は基本的には原作のゲームの世界観を踏襲しながら、プレイヤーやキャラクターの背景事情を盛り込んで物語テイストに仕上げており、映画から入る人でも楽しめるといった感じでした。二宮和也さんや小松菜奈さんといった豪華な人材を起用しておきながら、インディーゲーム特有のこじんまりとした感じを残したB級映画のような体裁を保っており、この辺りのバランスも好感が持てました。また、ホラー要素も多く映画館で見ることで没入感がより実感できるので、ぜひ公開されているうちに見に行ってみてください。

総じて個人的には知人に勧められるくらいには面白い映画でした。

感想

ここからはネタバレありきで思ったことを色々と感想を書きます。

結局真相は分からない

これはB級映画あるあるだと思いますが、不思議な世界に迷い込んで主人公が何かするというパターンの場合、大抵その不思議な世界がどうして存在して、どういう仕組みで機能しているのかといった設定は分からず仕舞いになってしまう気がします。今回もこの例に漏れず、結局8番出口の迷路はどういうからくりなのか、人間ではなくなったおじさんはこれからどうなるのか、おじさんの前の通行人だったお姉さんは何者かといった数多くの謎が残ったままです。まあこういう部分を補って自分たちで考えてみるというのが面白かったりするので、これはこれで良いと思いますが、ゲームのメタ的な世界観については一切分からず仕舞いといった感じでした。

映画特有の異変が素晴らしい

ゲームから脱却して映画らしさを出している箇所が何か所かあって、良い構成だなと思いました。特に主人公が元カノからの電話で、元カノとの子どもを元カノのよりを戻して一緒に育てていくべきか葛藤しているときに実はその電話そのものが異変だったという演出は不気味さを感じました。8番出口の迷宮に迷い込んでから電波が通じなくなるという設定があったので、電話がかかってくること自体がおかしいと言えばおかしいので予想はできていたのですが、それでも演出のおかげで普通に驚かされました。

子どもの存在について

結局8番出口に迷い込んだ子どもは主人公と元カノとの子どもということで良かったのでしょうか?出てきた段階から察しはついていましたが、それでもおじさんとの関係やなんでずっとあそこで迷っていたのかなど疑問が数多く残ります。また、やたら察しが良く間違いを見つけてくるのも不思議です。最後に子どもとニノが別れたのは、これから子どもの方は母親のもとに帰ってこの世界に生まれてくるのかな?とか、だとすると8番出口のある迷宮は生前の人間の魂が迷い込んでくるところなのかな?とか、もしニノが元カノと縁を切る、あるいは中絶をさせるような選択肢をとった場合あの子どもはどうなっていたのかな?など様々な疑問が残ります。

余談

本当にどうでもよい余談なのですが、最後の津波のシーンで二宮和也と小松奈々が海辺で子どもと過ごすシーン(幻想?)がありましたが、その直前の波の引くシーンでWindowsの壁紙を思い出してすごいデジャブ感を覚えました。

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